"魔法のカイロ" 3
主原料に鉄粉を使うのは、安くて無害ということにつきます。
触媒も、もっと有毒性のものを使えば、いくらでも高温を得られますが、安全性、必要性の面からもそこまでは要求されないのです。
従来、鉄をサビさせて商売しようなんていうのは、いかがわしいペルシア秘宝展の類ぐらいのものでした。
それが、使い捨てカイロのような大衆性商品として登場するようになったのは、ほんの26年ぐらい前のこと。
大学の研究者が、今のカイロの原型のようなものを趣味程度に手づくり、友人にプレゼントしていたのが新商品開発のきっかけになったらしいです。
これをカイロ灰やベンジンを使った旧式のカイロと比較すると火を使わない、においがない、震動で火が消えることもないなどさまざまのメリットが考えられました。
そこで、可能な限り小型化、軽量化、使い捨て商品の価格限界点といわれる100円にまで値段を下げたのが今の商品です。
以来、爆発的に市場を拡大、昭和53年度1200万個だった全国販売数量(推定)が、58年度には2億5000万個に拡大。河成鎮生氏によると、全国で53社にまで増えた業者が集まって「日本使い捨てカイロ同業会」まで設立されました。
すでに海外からの問い合わせ・テスト輸出も行われており、一部メーカーは、夏場の不需要期との関係から南半球に目を向け始めています。