主要先進市場経済国における通貨供給
これまで景気回復は、主要市場経済国間の政策態度が調整されておらず、場合によっては矛盾する状態のままで進行してきています。
これが特に欧州の景気回復を強化する上で障害となっています。
1983年において、ほとんどの先進市場経済国の金融政策は米国の高金利によって引き続き制約を受けました。
1982年後半の始めにおいて米国の連邦準備局は狭義の通貨供給量(M1)を目標値を越えて増加させましたが、この政策は1983年前半を通じても維持されました。
この金融政策の緩和が主要先進国の名目金利を低下させた重要な要因です。
そのため経済活動の回復に見合って信用を拡大させる余地が生じました。
しかし、1983年8月以来米国の金融政策は引き締められており、M1の伸びは公表された目標範囲の下限に近づいています。
この米国の景気回復への大きな期待感とともに、海外より資本流入を促し、拡大する貿易赤字にもかかわらず、実質で米ドル高を生み出しました。
1983年においても、このドル高が対米輸出を拡大させ、また、インフレを低下させました。
しかし、通貨価値が下った国では価格上昇の圧力が加わり、インフレ対策を複雑なものとしました。